スカイ・クロラ The Sky Crawlers

好きなアニメ映画を挙げろと言われたら、三本の指に入る作品です。

だけど、地元の小さな映画館ではじめて観たとき、周りの人は半分くらいが寝ていたし、子どもはつまらなそうにポップコーンを齧って時間を潰していたし、かく言う私もよく内容が解らずにうとうとしていました。

大事なことなのでもう一度言います。私はこの作品がとても好きです。
映画の公開が終わり暫くしてDVDが借り出されて、何となく雰囲気は好きだったし、もう一回観てみようという気になりまして。
Wikiで前提知識を入れて2週目に突入してみたら、「ああ、そういうことなのか」と納得がいき、気がつけばもう一回、もう一回と何週か観てしまいました。
定期的に観たくなるので、DVDを買ってしまおうかと悩むほどです。

例えば「君の名は」のように、伝えたい内容が単純明快であること、展開がリズミカルでオチがしっかりしていることを求める方には向かない作品です。
男女が濃厚にキスするシーンもあり、内容も難解であるので、子ども向けでもないですね。
間違っても万人受けはしないでしょう。人を選ぶ作品であることは否定できません。

この作品のテーマは「限りある生の尊さ」です。
よくある戦争映画は、これを「身近な人間の死」という形で、命の有限性をうったえます。
しかしこの作品は、「記憶を消されて何度でも再生される死なない人間」という無限の生を通じて、「生が有限であることの尊さ」を表現しています。
もうね、説明だけでもややこしいんですよ。
そりゃあ、映画館でちょっと観ただけじゃ、解らないはずなんですわ。
端から既存の手法で描かれていない作品なんですから。

万人受けを観尽くして飽きてきた方には、ぜひ挑戦して欲しい。
映画館でぱっと観て捨てるには勿体無い。これは周回向けの、オトナな作品です。
オチは完全にスッキリとはいきませんが、微かな希望がみえるエンドですよ。

余談ですが、この作品は煙草の描写も大変に魅力的です。
喫煙者の方は、鑑賞後に絶対吸いたくなります。これは絶対です。

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